【WOE】初見の感想

今月は週末予選のフォーマットが「エルドレインの森」シールドという事という話なので、暇になったら参加する可能性を考慮してドラフトには手を出さずにシールドを練習中。今回は自分向けの整理目的で、初見の感想をまとめておきます。

「役割」が果たす役割

今回の目玉ギミックと言える「役割」は、コモンの範囲で見てもアドバンテージを失う事なく付与できる手段が多い事から、ほぼ全ての試合で「役割」を巡る攻防が発生します。

基本のサイズが当てにならない

前述の通りなので、本環境は生物が気軽にサイズアップします。一方で、役割以外のサイズアップ手段はアンコモン以上となっており、+1は簡単だけど+2以上は難しい、と言えそうです。

この為、生物サイズの押し引きという範囲では、素のサイズ+1カウントでカードを評価すると見える景色が変わります。特に1マナ生物に関しては、普段の環境では使いたくない物だったとしても、この環境では序盤に「役割」を置く場所として大変貴重です。

例えば、『自惚れた魔女』は素の3/2/3威迫でも十分に優秀ですが、出来事で「役割」を貼れると更に評価が上がります。ところが、マナカーブ通りに3ターン目に本体を着地させようとすると、2マナの生物には役割が貼れません。

トークンとしての存在感

もう一つのキーワードである「協約」の種としても「役割」は優秀なのですが、前述の通りサイズアップ手段として非常に有用なので、主に攻撃的なデッキにおいては、気軽な生贄候補とは言い難いです。

このため、トークンとして活用するのは、別コンセプトのデッキ(例えば、エンチャントを生け贄に捧げるシステムシナジーのデッキ)に限定した方が吉で、普通に作ったデッキにおいては、基本的に+1/+1カウンターだと思った方が健康的です。

シールドにおける色の優先度

まだ10に満たない数しかこなしていない状態の所感なので、後で手のひらをクルクルする可能性は大。”シールドでメインカラーに据えるなら”、という観点で考えた場合の優先度は、現時点で「緑>青>黒=白>赤」かなぁと。

珍しく緑が使いやすい環境

プールを開けたタイミングで、とりあえず緑を並べてみようかなと思えるくらいには使いやすい。理由を分析すると以下

  1. 解呪系がコモンに2種類ある
  2. マナ加速が2種類あり後手でも戦いやすい

①はレア遭遇率の高いシールド限定の理由だが、レアの宮廷サイクルや御伽噺枠など、定着するとすぐにゲームが終わる置物の数が多く、ミッドレンジ戦略を採るなら解呪系を2枚まで入れたい。にも拘わらず環境に全然解呪系カードが存在しない。2マナ生物でもある『やんちゃなアウフ』はかなり重宝する。

②は、『根乗りのフォーン』と『豆の木のワーム』の2種類の事で、特に後者は『吠えたける突風牙』と組み合わせた動きがバグ。『豆の木をのぼれ』『ガラクの放棄』『絡み架かりの見張り』といったアンコモンのアドバンテージ要素や、青と組んで『フェイの宮廷へ』に繋げて飛行で蹂躙するプランなど、土地を伸ばす事で真価を発揮しやすい点がプラス。

対抗はテンポ戦略の青

青には以下に挙げた要素が揃っていて、ギリギリのラインで寄り切りやすい印象。

  • アドバンテージを失わない2種類のバウンス
  • 直接的に引き増す手段の豊富さ
  • 出来事が有用な生物群

青黒にはアンコモンまででパワー1の飛行生物が4種存在するので、これらを「役割」でパンプしてクロックを作れると主導権を握りやすい。盤面有利を維持していれば、引き増す余裕もできて除去や重たい生物が間に合うという流れ。後手だと勝率が悪くなりがちなので、戦略としてはサイド後が向いているが、レアリティが高くまとまっていれば十分メインを張れる。

システム型で活路を見出す黒と白

黒と白は除去が強いものの、生物の性能がボンヤリしており、単品性能で勝負がしにくく、殴り始めも遅い。1マナの出来事で役割を付与できるが、共にコモン1マナ生物が弱めでテンポが良くないので、素直に2色目で使うと良い。その場合はアンコモンが強い緑黒フードか、青白タップが好み。

黒白の組み合わせには、”エンチャントが墓地に落ちる”というデメリットをトリガーとするコンセプトが割り当てられており、不遇なカード評価の元凶はココ。そこを引き立てる為なのか、受けるカードの方に強い効果が偏っていて粘り強く、墓地回収カードが多くコンボパーツを揃えやすいので、システムを盤面に揃えて勝つデッキを目指す事で、シンプルに殴るデッキには勝ちやすく出来る。

ただし、青系にはグチャグチャにされるからサブプラン向きだし、カードが揃ってないと難しいからドラフト向け。

赤アグロはシナジー重視

基本火力が『塔の点火』も『乱入』もとても優秀で、出来事やコンバットトリックを見回しても押し切る手段には事欠かない割に、素のサイズが小さくまとまっている為、攻めあぐねてしまう印象が強い。仮想敵の緑が素早く大型生物を展開してくるので、縦の突破を狙うとガス欠になってしまい、その時点で赤白祝祭と赤緑がキツい。

そういう事情で横展開を狙う事になる訳だが、赤黒ネズミの完成系を想像すると、かなり都合よくシナジーカードの束をパックから開ける必要があるので優先度は低めという結論に落ち着く。ドラフトだったら多分強いと思う。たぶん

青赤のスペルデッキはいつでもピーキーな上に、今回は分かりやすいフィニッシャーも存在しないのでやる価値を見い出せない。