ミシックには届かなかったものの、久しぶりに継続して遊べた環境だったので、振り返り用に現時点で思っている事をまとめておこうと思います。
環境初期の振り返り
ドラフトに関する記事は少ないながらも、ググって引っかかるものには目を通すようにしていて、特に今回のセットで目に付いたのは「青が弱い」だったかなと。あと、かなりの”アーキタイプ環境”という意見ですね。
この風潮に対抗するかのように、手元で7勝するデッキは青黒が2回だった事もあって、カード評価間違ってるかぁ。「老いたな」と老け込んでいましたが、(事故沼は一旦横に置いておくとして)全体的な勝率は悪くなかったので、普通の感覚とのズレをどこかで調節できればいいや、くらいに考えて楽しく遊んでいました。
また、毒を巡る攻防という意味では、”感染”環境を経験済みだったので、超高速環境になるのかな?と朧気ながら考えていましたが、色ごとの強弱まで落とし込めていませんでした。
環境を触っての感想
”色の強さに偏りがあるアーキタイプ環境”という認識からスタートしましたが、”どの色にもチャンスがあるグッドスタッフ環境”と真逆な認識に移りつつあります。ボロス優位からゴルガリ復権に流れていった、初代ラヴニカのドラフト環境を思い出しました。
赤と白のコモンは確かに優秀ですが、卓内4人以上を賄えるほどの強度ではなく、アーキタイプを重視してちょっと弱いカードを採用した綺麗なデッキよりも、レアを触ったマナベースが汚い3色の方が勝ちを拾いやすい印象です。アーキタイプを否定したい訳ではなく、アーキタイプを狙いすぎるとピック時点で失敗しやすい環境だ、と言いたい。
具体的には、アーキタイプのシグナルを受けても、そのアーキタイプに沿ったカードが流れてくる保証が無い。なぜなら各色が受け持つアーキタイプの数が概ね3種類ずつ存在しており、他のアーキタイプでは使えないほど弱いモノが少ない環境で協調が成立しにくいです。
なお、マナフラッド受けがほぼ存在しないので、土地を16に切り詰めたい関係上2色に収めるに越した事は無いものの、毒の関係もあってガードが高く膠着しやすい為、デッキが弱い時はリスクを取って3色目をタッチして決定力を補うべき派。
ピック方針
アーキタイプに全BETしても得られるリターンが少ない事から、序盤は純粋にカードパワーが強いものを拾っていくことになります。その際に、シナジーによって強さを発揮するタイプのカードは、意識して点を下げても良いように思っています。
メインカラーとサブカラーを意識した方が良くて、同じ色の組み合わせでもメインカラーをどちらにするか?によってデッキの目指す方向性がガラっと変わってしまうので、汎用的に強いカードから入って、ピックの流れでメインカラーを確定させていった方が失敗も少ない印象。
その上で、”軽くて強い”カードがとにかく貴重なので、除去・生物問わずそこだけ環境加点するとピックで迷いにくくなりそう。
色ごとの方針
アーキタイプでも色の組み合わせでも散らかったので単色で分解。
また、記述を簡略化する為に、色を2つ並べた場合、先に書いた方がメインカラーで、あとに書いた方がサブカラー、という内容を含む事とします。
(例)黒白⇒黒がメインカラーで白がサブカラー
白
コモンは粒ぞろいだが、装備の修正値がタフネス寄りだった為に赤の後塵を拝するポジション。メインカラーに据えやすい毒性3人衆(『這い回る合唱者』『信念堅い決闘者』『肉剥ぎの猛禽』)に除去とアンコ・レアを添えるだけで、そこそこ戦えるのが楽。
サブカラーに回ると途端に選択肢が狭くなるが、青白「アーティファクト」は強い(アーキタイプ依存度が高いのでピック難易度高め)。赤白「装備」は白絡みの装備がアンコ以上なので巡りあわせ次第。黒白と緑白は、ほぼ単色に除去だけ足すレベルが妥当で、あまりやりたくない。
青
低いマナ域に攻撃的なカードがほとんど存在しないので、序中盤をきっちり耐えて5マナ2種(『脳網の徘徊者』『水銀の魚捕り』)でマクリにいくスタイル。不人気故フィニッシャーがグルグル回るので、壁役から確保しにいくと良い。
また、強烈にシナジーを要求する『マルカトールの眼』で前のめりに殴りに行くプランが強力で、高マナ域を捨てて『金属のうろつくもの』と併せて無限回収するトリッキーなピックが良さげ。青白の特権と思いきや、意外と青赤も成立する。
除去である『眩惑の妙薬』がダブルシンボルなのでサブカラーとして立ち回りにくいが、毒とも油とも増殖の相性が良い為、大外から2色目に食い込んでくることがある。まぁ、基本的にはメインカラー向きな色。
黒
除去は一番強いがフィニッシュブローが細く、押し込み切れずメインカラーに採用しにくい。実は一番”毒性”で勝ちたい色で、『腐り腹のネズミ』『シェオルドレッドの首狩り』が掠めとった毒を『丸呑みの屑鉄罠』で蓋をする形が基本ラインになる。このプランを補完できる意味で黒青が最有力になり、次点で黒赤と黒緑が続く。黒白はやりたくない。
サブカラーとしては除去がとにかく強いので3色目の選択肢まで含めてタッチしやすい。とにかく安い『殺しの百長』を「ミラディンのために!」で安定して4/4運用できる赤黒は逃げ道として優秀。テーマを補完する役割は薄い事から、ピック序盤で拾いやすい色。
赤
パッと見では強そうに見えなかったのに、蓋を開けたら環境のリードカラーだったというオチ。「ミラディンのために!」というメカニズムの勝利であり、白より軽いマナ帯かつ、パワーが上がる点が優秀な理由(『逆棘の叩拳』『ヴァルショクの割り斧』の2種がひたすら強い)。どの色をサブカラーに迎えても成立するし、シナジーを意識しない方がピック面で平均点を出しやすい。
サブカラーに回る時は逆に、青赤や緑赤などで油シナジーを、白赤と黒赤で増殖を意識したカード採用が増える。また、押し込み用の『危険な爆風』に関しては3色目のタッチまで許容できる酷いカードなので、暇な時に前を通ったらとりあえず回収すると吉。
緑
毒性を狙うよりは、アドバンテージを重ねて(『伝染病のヴォラック』『油喰らいのトロール』)重いカードで寄り切るスタイルが安定する。当初苦手意識があった緑青も上記ライン上に成立するし、3色目も足しやすい。
サブカラーに回って使いたいカードは少ないので、ピック面で融通が利かない点には注意が必要。
まとめ
数枚入れ替えるだけでデッキ全体の印象が変わるような、細かいバリエーションがいくつも存在する印象なので、デッキの完成系を体系的に書く事が難しく、何度遊んでも楽しい囲碁将棋っぽい環境だなと思っているところです。
もうちょっとやり込んでパターン化できた暁には、幻の3本目の記事を書くかもしれないし、書かないかもしれない。
そんなところで。
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