基本セット2021 ドラフトまとめ

今回の環境はかなりスタートダッシュに失敗して、どうにもまとめ記事を書けるレベルになかなか到達していないので、のびのびになってしまいましたが、ようやく勝率も安定してきた為、そろそろ書いてもいいかなぁと。

環境初期の振り返り

環境初期に書いたファーストインプレッション記事は以下。

いくつか明確なダウトはあるものの、アウトラインは外してない事に自分の成長を感じる(わらい)。

シールドはそもそも回数をこなさなかったので振り返る気も無いですが、ドラフトの序盤は勝ち越すのが精いっぱいみたいな成績を連打して、合間に0-3まで頻繁に叩き出して完全に迷子になっていました。フラッド&スクリューも多くて、「このゲームつまんない」と一人さみしく負けドッグの遠吠えを漏らしていました。

1か月終えての感想

イコリア環境が楽しすぎた為、原始のマジックに身体が慣れるのにかなり時間がかかりましたが、自分の所感に忠実に、というか更に1個前の「テーロス還魂記」環境の方に近いゲームバランス(3ターン目までの場作りが重要)だなと気付かされてから、ちょっとだけ勝率が上がりました。

決着想定ターン数の前倒し

環境初期の雑感で最も外したなと感じたのは、緑のアーキタイプとその速度感でした。雑感ではマナ加速から大型クリーチャーを連打する戦術が優位だと書きましたが、「うたた寝するティラノドン」による早いターンからサイズの暴力で盤面を制圧する戦術の方が圧倒的に強かったです。特に緑白のカラーコンビネーションは、除去をブレイクする手段がコモンに2種類(「抵抗の妙技」「レインジャーの悪知恵」)も用意されている為、5マナの完全除去(「金屑化」「現場保存」「とどめの一撃」など)を完全に置き去りにしています。

この為、当初は完全除去が出揃う5ターン目の攻防を試合の決着ターンだと想定していましたが、大幅に前倒しした3ターン目までに唱えられる呪文の数を意識する必要があると考えを改めました。この想定ターンの変更をピック基準に反映する事で、かなり勝率が改善しています。

アーキタイプ環境

変容という緩やかなアーキタイプはあるものの、強いカードを叩きつける感(=グッドスタッフ環境)があったイコリアと違って、M21は突き詰めるとアーキタイプ環境で間違いないです。ただ、アンコモンのマルチカラーに設定されたテーマから始まる設計者が用意したアーキタイプだけではなく、特定のコモンを搔き集めるパターンもあって、実現性が低いものも含めるとかなりの数が存在しており、ある種の”やりこみ度”を試される節があります。

設定されたアーキタイプ間の強弱については、黒絡みの生贄ギミックだけが微妙(というか、アンコモンの「裏切りの強欲」だけ組み合わせると強いというピンポイントな強さしかない)くらいで、他はどれも枚数が集まれば十分に戦えるという印象を持ちました。

アーキタイプごとの所感

実践で成果が出たものを中心に記載しています。キーカードにはアーキタイプ的な強さ(=素で使ったら普通 or 弱い)があって、複数枚の確保が狙えるカードをできるだけピックアップしてます。

白緑サイズアップ

キーカード:議事会の導師、鍛え抜かれた古参兵

緑から入る事もあるが、白単ぎみにピックしてる最中にキーカードが流れてきて参入するとココに落ち着きやすい。大したシナジーが無くても、ピック優先度がどのタイミングでも高い「抵抗の妙技」の+カウンターが2個になったり、後から増やせたりするだけでまぁまぁ強いから困る。

青赤果敢

キーカード:ゴブリンの魔術、実験的過負荷

「呪文喰いの奇魔」はもちろん強いが、自身が生物なので3枚以上入れる場合は他のカードとバランスをとる必要がある。しかも、デッキの完成度という意味では、3マナ生物より2マナ生物の方が価値が高く、テーマに合致する2マナ生物はアンコモン(「心火の供犠者」「ジェスカイの長老」)にしかいない点がネックとなり、見た目よりデッキ構築が難しい印象はある。決め打ちにはあまり向いておらず、どちらかと言うと軽い火力から取り始めて、キーカードが1パック目の遅い順手で回ってくるような卓の時にやり始めると失敗が少ない。

白青飛行

キーカード:天球の見張り、潮掬い

ひたすらキーカードを固めて取れると変な盤面が構築できる。「高尚な否定」が安くとれるはずなので、「抵抗の妙技」と併せてバックアップしていく。盤面に触るスペルをピックしている余裕が無いので、「うろつく光霊」は他のアーキタイプより気持ち早めに取るようになる。後手を取らされた序盤が最も大きな課題なので、中盤でダメージレースを引っくり返す「霜のブレス」は優先度高め。

白黒ライフ

キーカード:耽溺する貴族階級、約束の光、選定された聖歌員

白黒である理由は「耽溺する貴族階級」だけと言っても過言ではない。(実は「選定された聖歌員」が集まると、「グリフィンの高楼」などは白黒でなくとも運用できてしまったりする)「血の暴食」は何度か試したが、一度たりとも強いと感じた事は無いので入ってる時は、シナジーではなくて失敗ドラフト。「活力回復」はシナジーカードが多いなら入れても良いけど、基本は隙間を埋めるカードなのであまり嬉しくない。

緑+αビート

キーカード:うたた寝するティラノドン

「うたた寝するティラノドン」をひたすら搔き集めれば完成。同じ緑のコモンで恒常的なサイズアップ要素(「誇り猫」「セテッサ式訓練」)を用意できるので、組み合わせる色も融通が利きやすい。

青+αライブラリ破壊

キーカード:テフェリーの後見

アンコモンではあるものの完全に別軸の勝ち方なので、発見したらとりあえずピックしておこうと考える程度には強い。普通のビートに雑に入ってるだけでも、サブプランになり得る点で始末が悪いカードだが、時間稼ぎに特化して作りこむと無双する。2枚取れたら十分に目指して良い部類で、3枚取れたらフィーバータイム。


とりあえず、こんなところで。